セットアップ

飼育器具
飼育器具が高級なものであるかないかは問題ではありませんが、初めから安上がりで、しかも手間をかけない方法ばかり追求するあまり、 トラブルばかりで美しくならず、気難しく感じるのです。ディスカスはけっして難しい魚ではありません。 難しさとの度合いは飼育者自身の問題であり、「怠け度」に比例しているのです。「美しいディスカス」に育てるためには、それなりに手間とお金は必要です。

水 槽
まずは水槽ですが、ディスカウントショップで売っている60×30×36cmのセット水槽でも不可能ではありませんが、 60×45×45cm以上の水槽から始められることをお薦めします。1匹飼いであればセット水槽でも大丈夫でしょうが、 多数飼育をするには適しません。ディスカスの習性の項でもふれましたが、集団生活を好む魚でありますし、飼育匹数が少ないといじめられてヒネてしまうことがよくあります。これを避けるためにはそろったサイズのものを5~6匹以上飼うという 常識もあります。(水槽の大きさに対して魚の数が少なすぎても問題が生じてきますので、ある程度、タンクサイズとのバランスも大切です) また、高さが36cmの水槽では体型的に伸びる素質を十分に生かせられませんので、成長に応じて水槽サイズを替えるのも策でしょう。そのうえ、100リットル前後の水量は良好な水質を維持するのに最も適しているからです。 初めて飼育される方には不思議に思えるようですが、水量は多ければ多いほど水質の管理はしやすくなります。
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飼育水
ディスカスの飼育には弱酸性から中性で亜硝酸濃度がゼロの軟水が最適とされています。亜硝酸は魚の鰓に負担をかけ、呼吸困難 を起こすため危険です。つまり亜硝酸への対処さえしっかりしていれば幅広い水質に適用すると考えられます。 pHに関しては極端な酸性(pH4.5以下)や極端なアルカリ性(pH8以上)でなければ、ほぼ問題はありません。 原種の飼育や繁殖させる場合を除き、pHや硬度は水道水を使用している限りは気にすることはないと思います。水温は基本的に高温飼育とし、幼魚の場合30~32度くらいに設定しておくと状態はいいみたいです。成長するにしたがって27~28度くらいに下げるとよいでしょう。
◇地下水を利用の場合は、硬度・導電率が比較的高い地域が多いのでイオン交換樹脂(軟水器)を使用する必要があるかも知れません。 

ろ過装置
濾過装置には上部濾過器、外部式パワーフィルター、やスポンジフィルターなど、底面式を除くすべてのフィルターを使うことができます。 水槽の容量・収容匹数・飼育環境や予算に応じた器材を揃えればよいかと思います。また、濾材には目詰まりしにくいものを選んでください。 亜硝酸は魚の排泄物や残餌から発生するアンモニアによるもので、濾過装置が十分に機能していれば バクテリアによってアンモニアは亜硝酸に、 亜硝酸は無害な硝酸に置き換えられますが、初期の段階では水中にアンモニアや亜硝酸が残存することになりますので頻繁な換水により取り除く必要があります。  よく給水口にプレフィルターを取り付けて直接濾過器本体に残餌を吸い込むのを防止しますが、ここには大きな落とし穴があります。プレフィルターに蓄積された 残餌は放置したままですとこの部分に好気性細菌が増殖し多量の水中酸素がここで消費されます。つまりプレフィルター以降の濾材本体部分は低酸素態になるため、 硝化作用の反対の反応が起こり有害な亜硝酸をを発生させてしまいます。これではどんな高価なフィルターを使用しても意味がありません。 プレフィルターは早い周期で洗浄するようにしましょう。
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検疫(隔離用)水槽
検疫水槽は飼育に使うのと同じサイズを用意します。設備は本水槽と同等に設置します。状態によってはエアレーションも必要になりますので、 濾過装置はエアリフト式のスポンジフィルターで十分かと思います。薬品によっては濾過バクテリアはダメージを受けますので生物濾過は期待できません。

保温器具
サーモスタットは定評のある電子式をお奨めします。ヒーターは200w(安全のためには100wを2本使用)、 90cm以上の水槽には200wを2本以上使用します。消耗品ですので必ず予備品をご用意ください。

照明
一般的な観賞魚用蛍光ライトで十分です。
ベアタンクで飼育する場合照度は必要ありません。

その他
pH計(デジタル表示式)、塩素中和剤、水質調整剤、
薬品、ガラス蓋、水温計、餌、網(複数)、水槽台など。

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